町指定
天然記念物
18 十二天のビヤクシン(柏槇)
じゅうにてんのびやくしん
- 現況
- A樹 幹廻り330cm 上部状態 5枝に分かれる
B樹 幹廻り251cm 上部状態 6枝に分かれる
C樹 幹廻り195cm 上部状態 4枝に分かれる
- 解説
- ビヤクシンの木のある場所は、俗に「十二天」(小字名)と称する所で、もとこの木の下に十二天を祠った社があったという。現在この社は、若干西方に移転され地元の人が供養している。
このビヤクシンは、急斜面の岩角により、枝葉は茂生して翠緑[すいりょう]したたるばかりである。これらの木はさながら野生の姿をしているがもとは鳥がある母樹からここに種子を運んだものではないかと思われる。鎌倉の寿福寺境内の山にも、絶壁の上に鳥が運んだかと思われるビヤクシンの古木があり状況が似ている。
ここに在ったという十二天の古い歴史は詳らかでないが、失われた十二天の社域にあった母樹の種子が、背後の山のこの岩角に運ばれ、そしてこの木があるためここを景勝の地として後に、この木の下に社殿が営まれたのかいずれにしてもそれは何等か十二天とつながりがある木なのであろうと推測される。